2025年 第1回 役員研修会を開催しました!

開催場所 大阪 小原流研修会館
開催期間 2025.05.30 ~ 2025.05.31

2025年の役員研修会のテーマは「自分の表現を考える~自分の花をいけるって何だろう」です
第1回の研修は大阪・小原流研修会館にておこなわれ、のべ26支部・計84名の方がご参加くださいました。
研修会前日には、夏はぜに特化した準備講座を開催しました。

●1時間目「歴代家元の思考に想いを馳せる」
小原流の歴史の中で、花材や美のとらえ方が変遷していること、新しい様式が生まれていくことをポジティブにとらえていただけるよう、歴代の家元が使用した花材を用いて作品づくりに挑戦していただきました。
アンスリウム、シャガ、ブラシの木、菊三種以上、グリーンの花材のみ、シャレ木、ぎぼうしなどのメインとなるテーマを設け、花材や器はフリーチョイスです。
開会式は家元をはじめ先生方の「自分の表現をすること」についてのエピソードトークから始まり、参加者同士で話し合いながら、それぞれの好みや大切にしている価値観に想いを馳せてオリジナリティあふれる作品づくりを意識していらっしゃいました。

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家元による総評では、“歴代家元の作品を追体験する”というテーマについて種明かしがあり、「様式は変わらないイメージがありますが、流祖雲心以降変化していくもので、変化は必然であり、どう伝えていくかが大切です。未来への可能性を示していき、選択の幅がどう広がるか楽しみにしていただければと思います。自分の好み、素材の良さに光をあてる目をもちつづけてほしいです。」とのお話があり、みなさん力強くうなずいていらっしゃいました。

●2時間目「夏の多種挿し」
小原流の伝統的な様式である「夏の多種挿し」がテーマです。研究院副院長の鈴木智子先生より、それぞれの花材の取り扱いのポイントについて説明がございました。
今回は定番である
笹百合のほか竹島百合、プチシリーズ、マニフィークなど様々な百合をあわせ、器も南蛮や青磁水盤、白釉小判、猫足など普段とは違ったものをあわせました。
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様式は決まりごとがある中で、いける人によって表現が異なるという教えのもと、先生方から丁寧にご指導を受けられ、伝統の中に個性が光る作品が多くいけられました。

●3時間目「五世の考える琳派調いけばな」
1限と同様、自分の作意を作品にどう生かすかに重点を置いており、家元からは“琳派絵師の目線を意識しながら、器と花との関係性・自分の表現を大切に”とお話がありました。ダリア、鉄線、枝紫陽花などを中心に、1・2時間目で使った花材もあわせて、色鮮やかな作品が会場を彩りました。

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閉会式では、家元より「様式といえど、何回やっても同じ作品にはなりません、自由と言われると不自由を感じるかもしれないですが、花材を見つめて、自分の作品の見せ場を出そうとすること、それを受け取ることのキャチボールが大切であり、ぜひこの経験を活かしてほしいと思います。」というお話があり、研修会は幕を閉じました。

●準備講座「夏はぜの繁み 特訓講座」
今回は初めての試みとして、役員研修会前日に準備講座を開催しました。研修会2限のテーマ「夏の多種挿し」で重要な役割をはたす「夏はぜ」の繁みづくりの講座です。長瀬豊枝先生よりご説明があり、六甲山系の山の風景は小原流の写景の原点になっており、夏はぜは山間の低木で写景盛花に好んで使われるというお話から始まり、季節や中景・近景描写でのなつはぜの取り扱い方や役枝の特徴について細やかに教えていただきました。ココットや桔梗をあわせて初夏らしいすずやかな作品が多くいけられました。


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今回は花材や器の自由度が高く、参加者同士のコミュニケーションも活発に行われ大変盛り上がっていたように思います。参加者の方からは「難しかったが、先生たちのいう”自分の作品をいける”ということがだんだんわかってきた、次の作品に活かしたい」「自分のいけばなを見つめるきっかけとなった」など嬉しい感想をいただきました。

ぜひ次回のご参加をお待ちしております!
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