2025年 第2回・第3回 役員研修会を開催しました!

開催場所 東京 小原流会館
開催期間 2025.07.05 ~ 2025.07.06

2025年役員研修会テーマは、
「自分の表現」について考える~自分の花をいけるって何だろう~ です。

第2回・第3回役員研修会は東京・小原流会館にておこなわれ、のべ35支部・計85名の方がご参加くださいました。

●1時間目 「自分の」琳派調いけばなに挑戦してみよう

家元が発表した琳派調いけばなの新しい解釈をもとに、「自分の花をいける」ということにフォーカスをあて、夏のJ-popをテーマに作品をいけました。
はじめに家元より「歴代の琳派絵師たちは、それぞれの想いをもってオリジナリティを追及しており、絵も時代が変わることによって新たなモチーフや画材を使い、その時代にあるものを利用して新たな美の要素を追い求めていっている。私たちも琳派絵師のように時代の変化に応じながらアップデートすることが大切であり、皆様とともに実践していきたい」とお話がありました。
花材は50種類以上からフリーチョイス、器は扇面と長方水盤です。いけこみ中は、各々が「自分の表現」について向き合う時間となりました。
一限の様子 新 (1).png
作品には選んだ曲・歌詞と作意を書いたカードを添え、それぞれの想いや表現を見えるようにしていただきました。
また、今回は参加者の皆さんと同じテーマで講師の先生方にもそれぞれ作品をいけていただき、お手直しの後にはそれぞれのテーマのお話や写真撮影で盛り上がり、花展のような雰囲気となりました。
琳派 先生方作品 1
(1).png琳派 先生方作品 2 (1).png琳派 先生方作品 3 (1).png

●2時間目 水ものの写景盛花

2時間目は燕子花・河骨・睡蓮の写景様式です。
いけこみの前に金森先生より水もの花材の取り扱いのポイントについて説明です。
「河骨は、バケツに立てておくと曲がってしまうため、新聞紙で覆う、横にしておくなど工夫が必要です。また、主・副・客で葉のふる位置が変わります。
睡蓮はポンプで水を入れると模様が入ってしまうので、いけ手の好みや考えにもとづいて行います。
燕子花は主材のほか客枝・中間枝としてあつかう様々な挿法があり、葉組を意識することが鍵となります。
これらの花材でどういう構成をするのか、それぞれの挿法に則って、決まり事を意識して組み立てることが重要です。」
と、詳細に教えてくださいました

二限手直しの様子 (1).png


参加者の中には花材の水あげが初めての方もいらっしゃいました。慣れていない方は2種もOK、挑戦したい方は3種でさらに同じ花材を複数いれるのであれば大きい水盤を使った作品にも挑戦できます。
金森先生の「それぞれの力量にあわせて、高みを目指してやれるもんならやってみてください」とのコメントに、会場は笑いにつつまれました。
水盤に多く水をたたえた夏らしい作品が並び、会場は涼やかな雰囲気となりました。

名称未設定のデザイン (1).png

●3時間目 「 水」をいける

3時間目は「水」をテーマとした写景自然です。
小見山先生より、花材の出生・景観・主観をふまえて「水をいける」 というテーマに沿っていけることが大切とお話がありました。
「水曲(ミワダ)」「翠雨」「ゲリラ豪雨のあとに」「浮遊物のある世界」「水清ければ月宿る」「この中で水盤の温度を一番高くしてください」「この中で水盤の温度を一番低くしてください」という7つのテーマが各班に割り振られると、歓声やほっとしたような声、戸惑いの声など様々な反応がありました。

三限てなおし (1).png

花材は夏櫨や枝段竹・雪柳・浮草・食虫植物などをはじめ、1限・2限に使用したものもすべて含めてフリーチョイス、器も丸水盤をはじめガラスやステンレス、作家物などの水盤からフリーチョイスです。
難しいテーマでも、先生方の細やかなご指導のもとで、皆さんおもいおもいの作品をいけられていました。生い茂る草木と水面に花弁を散らして水曲を表現した作品や、ステンレスの器に花材が反射したすずやかな作品、中には繁みの中にアヒルを浮かべたかわいらしい作品など、個性あふれる作品が会場を彩りました。

三限会場の様子 (2) (1).png三限作品 (1).png

閉会式は家元による総評が行われました。
「肉体より頭がつかれたのではないかと思いますが、自分の花を探ることは楽しいのではないかと思います。自由な表現に行きたつまでは時間がかかりますが、いけはじめれば皆さんそれぞれの作品を作ることに乗ってきます。それは今までの学びがあるからです。普段の花を見つめる心を型だけではなく、表現にいかしていく、それが未来を作っていくことになります。ぜひ挑戦を続けていってほしいです。」
との言葉で研修会は締めくくられました。



今回ご参加いただいた皆様より、以下のような感想をいただいております!
・テーマも良く、花材もめずらしいものも多く楽しかったです。器もいろいろ使えて勉強になりました。
・様式を細かくご指導いただいたり、自分で取り合わせ、発想をふくらませるのが勉強になりました。
・自分の花がいけられて楽しかったです。
・参加者の皆さんとの交流が実りありました。

7月役員研修会にご参加いただきありがとうございました!

次回の役員研修会は11月初旬に東京、下旬に大阪で開催されます。
ぜひ皆様のご参加をお待ちしております!!

過去の役員研修会レポートは以下のリンクよりご覧ください
2025年第1回役員研修会レポート

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