この人に聞く!vol.41 小原流広島支部 川﨑 華 先生
川﨑 華 先生
1975年4月小原流入門
1978年1月准教授取得
1988年12月専門教授者取得
2000年5月一級家元教授取得
2020年より広島支部監事
小学校での体験授業を毎年行うなど、子供たちに小原流を広める活動をされている川﨑先生にお話を伺いました。

支部長の小林 佳世 先生にお話を伺いました
・広島支部はどのような支部かお聞かせください
小原流広島支部は、本年創立70周年を迎えました。現在およそ400名の会員のうち、約200名が花展に参加し、互いに力を合わせて、素晴らしく立派な花展を開催することができました。日ごろから、会員一人ひとりが心をひとつにして活動できる、たいへん結束力のある支部であることを改めて実感しております。
これまで広島支部を支えてこられた先輩方の中には、原爆について多くを語られることはないものの、ご自身の体験や、当時見聞きされたことを折に触れてお話しくださる方がおられます。一発の原子爆弾がもたらした悲惨な状況は、決して再び繰り返してはなりません。核兵器廃絶と世界の恒久平和を願うこの思いを、私たちは花とともに未来へつないでいきたいと考えています。
これが、私ども広島支部の揺るぎない願いであります。
広島支部創立70周年記念花展の様子はこちらから
ここからは 川﨑 華 先生にお話を伺いました
小原流との出会い
・いけばなを始めたきっかけをお聞かせください
いけばなを始めたのは、24歳頃です。大学を卒業して広島大学文学部英文研究室に勤務していたとき、外国人講師の奥さまから「いけばな教室に一緒に行きませんか」とお誘いをいただきました。そこで初めていけばなを体験したのですが、専門用語が思うように理解できず、英語に訳すこともできない自分に気づき、「もっと深く学んでみたい」と思ったことが始まりです。
その後、きちんと学びたいという気持ちが強くなり、親先生に勧められて、36歳頃からは支部の研究会にも参加するようになりました。いけばなとの出会いが、今日まで続く学びの道の始まりでした。

広島支部創立70周年記念花展に出展したいけばな作品
娘が広島大学に在学していた頃、広島市の小学校・中学校・高校に英語助手として海外から来られていた方々と友人になりました。
そのご縁で、彼女たちから「いけばなを教えてほしい」という依頼を受け、英語助手4名と娘に指導することになりました。英語助手の任期は2年間でしたが、帰国前に次の赴任者を次々と紹介してくださり、結果として約6年間、英語でいけばなを教える貴重な機会に恵まれました。
また娘は、大学在学中にドイツへ留学した際、日本文化の大切さをあらためて実感し、帰国後もいけばなを続けてきました。現在は川崎支部の会員として、いけばなの研鑽を続けています。
広島市立宇品小学校
・どのようなきっかけで毎年ご指導されるようになったのでしょうか
毎年いけばなの指導をさせていただくようになったのは、宇品小学校の校長先生から「いけばなの講師を探している」というご相談が、宇品地区の民生委員さんに寄せられたことがきっかけでした。その民生委員さんが宇品公民館に問い合わせたところ、私の名前が挙がり、ご縁をいただいて指導を担当することになりました。
今年10月10日のいけばな体験授業と見本花
いけばな体験教室では、参加した子どもたちが真剣な表情で花と向き合い、それぞれの個性あふれる作品を完成させました。
初めてのいけばなに挑戦した子どもたちからは、「いけばなには作る楽しさだけでなく、作った後の嬉しさも感じられて良かったです。」「いけばなは人それぞれの個性が出て、すごく楽しかったです。」「いけばなは、作る人の心が映し出されるものだと思いました。」など、うれしい感想が寄せられました。
短い時間の中でも、花に触れることで気持ちが落ち着いたり、出来上がった作品に達成感を覚えたりと、子どもたちにとって貴重な体験となったようです。
今回の体験をきっかけに、花をいける楽しさや心の豊かさを感じてもらえればいいですね。

大河公民館
・大河(おおこう)公民館とも長いお付き合いだとか
20年ほど前から、大河公民館の受付に季節の花をいけ続けてきました。この場所は、もともと親先生の教室を引き継いだ思い入れのある場でもあります。
季節の行事に合わせて、手作りの小物にいけばなを添えて飾っていましたが、その飾りつけを日々目にしていた公民館の館長や職員の方々が関心を寄せてくださり、「公民館主催の講座として開催してみませんか」と声をかけていただきました。地域の皆さんと花を通じてつながる場が生まれたことに、深い喜びと感謝の気持ちを抱いています。
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公民館に飾った小物といけばな
お教室
・教授者として歩み始めたきっかけを教えてください
講師としての道を歩み始めたのは、37歳のときでした。これまでの経験や学んできたことを、誰かと分かち合えたら。。。そんな思いが自然と大きくなっていったんです。最初の生徒になってくれたのは、子育てサークルで出会ったお知り合いの2人でした。身近な仲間が応援してくれたことが大きな励みとなり、講師としての第一歩を踏み出す後押しになりました。
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自宅教室

コロナ禍以前は市の中心部にも教室を構えていましたが、現在は自宅のみで教室を開いています。
ありがたいことに、以前の教室からは距離が遠くなったにもかかわらず、変わらず通ってくださる生徒さんも多く、また研究会にも休まず出席してくださるので、日々とても充実した時間を過ごしています。

左 自宅教室 右 大教寺教室
小原流の魅力
小原流の魅力は、なんといってもいけ方が多彩であることです。花材の表情を活かしながら、さまざまな表現ができる幅の広さが、小原流ならではの魅力だと感じています。
小原流を長く続けてこられたのは、共に学ぶ仲間の皆さんがとても勉強熱心で、常に良い刺激を受けてきたからです。そして何より、花そのものが私にとって大きな癒しの存在でした。
27歳、28歳の頃には「外国人に花を教えるセミナー」に参加する機会がありました。そこで出会った参加者の方々が、自分にできることに努力を惜しまず続けておられる姿に深く感動しました。また、日頃の稽古仲間からも励ましや刺激をもらい、感謝の気持ちとともに、自然と続けてこられたのだと思います。

お稽古でのいけばな
これから
これからも「いけばなは楽しい」という想いを、もっと多くの人に広めていきたいと考えています。
約20年前から大河公民館の受付に花をいけていますが、職員の方や来館者の方々から「今日も素敵なお花ですね」と声をかけていただくたびに、花が人の心を和ませる力を実感しています。しかし、公民館で開催される単発のいけばな講座には参加していただけるものの、継続して習いたいという方はまだ多くありません。そこに少し寂しさを感じることもあります。
それでも、「いけばなって楽しそう」「やってみたい」と思ってもらえるよう、これからも声かけを続け、いけばなの魅力に触れるきっかけをつくりたいと考えています。少しずつでも、いけばなを学びたいと思う人が増えていけば嬉しいです。
左 公民館の展示花 右 小学校の展示花
インタビューを終えて
川﨑先生は、終始やわらかな雰囲気をまとい、穏やかにお話しくださるとても優しい先生でした。
公民館で季節ごとにいけばなを飾っていたことが、公民館講座へ、そして小学校での活動へと自然に広がっていった背景には、先生のお人柄が人を惹きつけ、次のご縁へとつないでいったのだろうと感じます。また、お嬢様も頼まれていけばなを教えることがあるとのことで、親子で小原流の魅力を伝えていく姿を想像すると、いけばなの輪がこれからさらに広がっていく期待が高まります。川﨑先生のあたたかな取り組みが、さらに多くの人へ届きますよう、益々のご活躍をお祈りしております。
小原流本部では教授者の皆さまに様々なサポートを行っています。
詳しくはこちらからご覧ください。