青森・福岡・福井で開催された地区別教授者研究会・研修士研修会開催レポート!

開催場所 青森・福岡・福井
開催期間 2025.08.23 ~ 2025.09.06

2025年研修士研修会・地区別教授者研究会
8月23日(土)東北地区(青森開催)、8月30日(土)九州地区(福岡開催)のレポートをお届けします。

青森開催 8月23日(土)

リンクステーションホール青森にて、地区別教授者研究会・研修士研修会が開催されました。

担当指導者として、小原流研究院教授の工藤亜美先生、助教授の井上松影先生、講師の菊池千恵先生にご指導いただきました。

地区別教授者研究会は69名、研修士研修会は8名の方にご参加いただきました。

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1作目は色彩盛花様式本位、紫苑・鶏頭・尾花の取り合わせです。
紫苑は花材として扱える期間が短いため、半数以上の方が初挑戦の花材です。
工藤先生より、「紫苑は葉に面があるため抑揚をつけていけることが大切です、紫苑・鶏頭の二種で骨格を作り、あしらいとして尾花を入れます。」と、いける際のポイントについて説明がありました。

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2作目は瓶花(直立型)でパンパス、鶏頭、吾亦紅と秋の風情を感じる取り合わせです。
パンパスは葉鞘でおおわれているため、たなびく穂を出してからいけていきます。瓶花は傾斜型が基本であるため、講評では工藤先生が瓶花の挿し口と主・副・客の位置について細かく説明してくださいました。

今年度新設の准四級コースは盛花で、丸水盤に姫蒲、ひまわり、ドラセナゴットセフィアーナと夏らしい取り合わせです。寸評ではご指導中の先生を取り囲んで、みなさん真剣に聞き入っていらっしゃいました。

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研修士研修会

1限目は写景様式で燕子花・河骨・太藺の秋の燕子花の三種いけ
2限目は瓶花で立ち透かし籠にななかまど、女郎花、竜胆、尾花、吾亦紅をいけました。
会場には一足先に秋の空気が流れており、地区別の合間に見学する方もたくさんいらっしゃいました。
「秋の燕子花や立ち透かし籠の多種挿しは触れる機会が少ないので、今回いけられてよかった。」といった声がありました。

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閉会式では工藤先生より盛花における花材をいけるポイントの見極め方の解説と、優秀賞・皆勤賞の賞状授与が行われました。
アンケートでは、「紫苑は触れたことのない花材で、今回いけることができて、楽しい時間を過ごすことができました。同じ会場で開催されていた、研修士の先生方の作品は初めて見るいけ方、花材を使われていて刺激を受けました。」など、うれしいご意見をいただいております!
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

今後の地区別は福井・大阪・仙台・東京後期と続きます。
皆さまのご参加をお待ちしております!
また、小原流インスタグラムでは地区別最高得点の作品や研修士の作品を紹介しています。
ぜひ、こちらからご覧ください。

福岡開催 8月30日(土)

福岡商工会議所にて、地区別教授者研究会・研修士研修会が開催されました。

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担当指導者として、小原流研究院教授の小見山峰泉先生、助教授の知地正和先生、講師の倉八環先生、杉山陽子先生、清水信行先生にご指導いただきました。

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地区別教授者研究会は183名、研修士研修会は20名と、200人を超える皆様にご参加いただきました。たくさんのご参加、皆さまありがとうございました。


1作目は瓶花、晒巻き柳、クッカバラ、かすみ草、ベアグラス、向日葵の5種の取り合わせです。「本数は自由、3~5種を使用する」という条件付きでの出題となりました。
小見山先生より「葉ものの方向性、全体の分量・色彩、根締まりを整えるといった点を意識し、バランスをどうとるか、考えていけていくことが大切です」と、ポイントについて説明がございました。

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2作目は色彩盛花様式本位で玉シダ、カーネーション、ヒペリカムの取り合わせです。
小見山先生から事前に「玉シダを11枚使用して、一株挿しにいけます。葉の形状を見極めて葉さばきをしながら、扇状にいれます。カーネーションを中間枝に、ヒペリカムを中間枝、客枝として、盛花直立型に構成するようにしてください」と説明がございました。
先生の説明を踏まえ、いける前に花材の形状をよく見て、全体のバランスに注意しながらいける方が多くいらっしゃいました。

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新設の准・四級コースでは盛花(傾斜型)で晒巻き柳、向日葵、レザーファンと、地区別1作目と同様の晒巻き柳の挿法などを学べる出題となりました。
閉会式後に清水先生より、専門教授者になるまでのステップについて、今後の進級の流れなどについて説明会が開かれました。

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研修士研修会

1限目は文人調いけばなで野茨、蓮(葉のみ)、鶏頭をいけました。

・奔放に枝を伸ばす野茨の見どころを捉えて、爽やかに据える
・風葉とも称される蓮の葉、配布された三枚に高低差をつけながら軽やかに留める
・色彩のポイントとなる深紅の鶏頭をどこにあわせていくか
・薄、女郎花、竜胆、われもこう、下草とそれぞれの存在感を活かすために花材を整理し、正しく据えていく必要がある
・特に薄の葉さばきには注意が必要

といったことを抑えながら、それぞれが主役となるよう1作にまとめることがポイントとして寸評・手直しの際、先生方よりアドバイスがございました。

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2限目は写景盛花様式本位で尾花、女郎花、竜胆、吾亦紅、日蔭かずらと、伝統的な日本の風情をいけばなで表現する「秋の多種挿し」をいけました。
今回は南蛮水盤、青磁水盤、白釉小判水盤と様々なバリエーションの花器を用意させていただき、器選びから楽しんでいただくことができました。
選んだ器に合わせて花材の分量や長短のバランス、奥行きのある器の場合の花留めの位置づけを整えることもポイントとなりました。

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閉会式では小見山先生より今回の総評と、優秀賞・皆勤賞の賞状授与が行われました。

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アンケートでは、「瓶花の取り合わせに意外性があり、それぞれの花材をどういけるか勉強になりました」「花材を全て使い切らなくて良く、いける型にもある程度自由な発想を入れながら、小原流らしさもあるいけ方が求められる出題で難しかったです」など沢山の感想をいただきました。

ご参加の皆さま、改めまして誠にありがとうございました!
今後の地区別は福井・大阪・仙台・東京後期と続きます。皆さまのご参加をお待ちしております!

また、小原流インスタグラムでは地区別最高得点の作品や研修士の作品を紹介しています。ぜひ、こちらからご覧ください。

 

福井開催 9月6日(土)
福井研修士研修会・地区別教授者研修会を開催いたしました。
地区別85名、研修士8名の方にご参加いただきました。特別開催でしたので、初めてご参加いただいた方も多くいらっしゃいました。
1.5IMG_8402.jpg1IMG_8405.jpg小原流研究院院長家元、助教授荘加ひとみ先生、講師小山順子先生の3名にご指導いただきました。
【研修士研修会 1作目】
写景様式(秋の多種挿し) ススキ3本・オミナエシ3本・竜胆3本・ワレモコウ2本・日蔭蔓1-2巻
伝統的な日本の風情を表現する「秋の多種挿し」では、主のススキ、主に添えるススキ、主と副をつなぐススキの位置と七宝に草花の細い茎ばかりなので詰めるのが大変ですが留めをたくさん挿し安定させる等ポイントの寸評・手直しの際、先生方よりアドバイスがございました。
【研修士研修会 2作目】
立ち透かし籠 丸葉マンサク3本・久留米ケイトウ3本・ススキ2本・オミナエシ2本・リンドウ1本・ほととぎす2本
【地区別1作目】
瓶花(基本花器) 山万作3本・ほととぎす2本・久留米ケイトウ2本・吾亦紅2本・ススキ3本
最初の作品は秋草をテーマにしたいけばなでした。細やかな秋草をふんだんに用い、草そのものが主役となるよう、5種類すべての花材を使用しました。秋草は本数を重ねることで秋らしさが増す一方で、入れすぎると重たくなってしまうため、そのさばき方に工夫が必要となる課題でした。参加者の皆様には、夏の余韻を感じさせつつも秋の風情を表現するいけ方に挑戦していただきました。
【地区別2作目】
色彩盛花様式本位(尺一) 菊3種挿し(黄色5本赤3本白3本)
続いての作品は「菊の三種挿し」でした。直立型を理解するうえで多くのヒントが含まれた課題であり、様式美に基づきながらも、花材をよく観察し、花の姿や表情を見極めた上で、挿し位置・長さ・高さを吟味することが求められました。この取り組みを通じて、参加者の皆様にはいけ手としての表現力を広げ、新たな引き出しを増やしていただけたことと存じます。
【准・四級】
盛花(傾斜型) (尺一) 深山南天4本・久留米鶏頭3本・小菊3本 准・四級クラスに向けて、小山先生から閉会式後に、専門教授者になるまでのステップについて、今後の進級の流れなどについて説明会が開かれました。質問も多く出て、積極的な議論が繰り広げられました。
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アンケートでは「いつも支部研究会でも手にしない充実した花材で、集中していけられる時間でした。」 「5種いけということや、秋のテーマでいけるというのは初めてのことだったが、先生からの手直しで今までとは違った視点で改めていけばなの奥深さを実感できた。」など、今後の挑戦への意欲を感じさせる、ありがたい感想を多数いただきました。
ご参加の皆さま、改めて誠にありがとうございました。また是非ご参加ください。
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