25年地区別教授者研究会・研修士研修会開催レポート!

開催場所 | 東京・高松・新潟 |
---|---|
開催期間 | 2025.03.29 ~ 2025.05.17 |
2025年の研修士研修会・地区別教授者研究会が、3月29日(土)・30日(日)の関東信越地区(東京開催)を皮切りにスタートいたしました。4月5日(土)四国地区(香川開催)・5月17日(土)関東信越地区(新潟開催)とあわせてレポートをお届けします。
- 東京開催 3月29日(土)・30日(日)
- 関東信越地区の研修士研修会、地区別教授者研究会はは2025年3月29日(土)・30日(日)に開催されました。
担当指導者には、小原流研究院副院長の鈴木査智子先生、助教授の小山田穂漿先生、講師の山本晶子先生にご指導をいただきました!両日合わせて、地区別教授者研究会は239名、研修士研修会は42名にご参加いただきました。
3月29日(土) 地区別教授者研究会
挑戦がテーマの1作目には「写景盛花自然本位」が出題されました。
花材は虫狩・錦紅花つつじ・シャガ・ゼンマイの四種の取り合わせでした。
赤く可憐な花を咲かせる錦紅花つつじはついつい多く残して使いたくなりますが、写景盛花では厳しく整理し大地をどう表現するか、またつつじで構成された環境に他の花材をどう調和させるかが問われました。2作目は木五倍子・こでまり・薊の瓶花。
春らしい取り合わせですが、こでまりを思い通りの位置で留めるには、基本の留めの技術が不可欠です。
「実がたくさんついた木五倍子を整理して、こでまりを留めて……と、息つく間もなく時間が過ぎた」との声もあり、集中力の求められる一作でした。29日は理事長がお越しになり、皆勤賞受賞者一人一人に賞状を授与いただきました。
閉会式会場は温かい、大きな拍手につつまれました。3月30日(日) 地区別教授者研究会
1作目は吉野桜・雲竜柳・鳴子百合の瓶花。
古今和歌集「みわたせば 柳桜をこきまぜて 都ぞ春の錦なりける」にちなんだ取り合わせです。
満開の桜を心地よい量感に整理し、奔放な雲竜柳と調和させるにはレベルの高い構成力が求められます。加えて、口元を締める材料が「葉の花材」であったことも難易度を上昇させました。2作目は写景盛花 様式本位。使用花材は、いちはつ・ブルースター・日陰蔓。
出回る時期が非常に短い「いちはつ」は、年に一度は「必ず」触れてほしい花材のひとつです。ただ同時に、非常に入手困難な花材でもあります。
今回の課題で初めて扱ったという方も多くいらっしゃいましたが、いちはつとの出会いに「大変勉強になりました!」と声をかけてくださる方も多くいらっしゃいました。本年も優秀作品獲得者と研修士研修会参加者には実作を前に寸評が行われています!
25年からは准・四級コースも始動いたしました!
東京開催から「地区別教授者研究会 准・四級コース」も始動いたしました。
29日は「色彩盛花 観水型」で雪柳・金魚草・スイートピー、30日は鳴子百合・マーガレット・日陰蔓による写景盛花 様式本位が出題されました。地区別では事前に出題が告知されません。
初めて七宝に挑戦する方や、様式本位に取り組む方も多く、皆さん悪戦苦闘しながらも熱心に取り組んでくださいました。
高得点は難しかったものの、三級以上の先輩方の作品を間近に見たことで、次回参加に向けて刺激を受けたとの声も聞こえてまいりました!「准・四級コース」にご出席いただいた皆さまには、三級以上になったら出席できる本部行事や、専門教授者についてを講師の山本先生よりご説明いただきました。
研修士研修会では、両日ともに次の課題が出題されました。
写景盛花 様式本位:吉野桜・錦紅花つつじ・日陰蔓
写景盛花 自然本位:いちはつ・雪柳・木苺・日陰蔓
小原流創流130周年を迎えた今年は、「様式本位」の再検討が進められています。
研修士研修会でも、可能な限り様式本位を中心とした出題が行われる予定です。
これまでの様式本位をあらためて見つめ直し、小原流が未来へ伝えるべき挿法を学ぶ大切な機会として、今後も引き続き取り組んでまいります。
1作目でキッチリと様式本位をいけられたあとの2作目の写景盛花自然本位は「何か翼が生えたようで、ほとんど指導しなくても全員上手にできている」と笑いながらおっしゃった鈴木先生の総評が印象的でした。
- 高松開催 4月5日(土)
- 四国地区の研修士研修会、地区別教授者研究会は4月5日(土)に開催されました。指導は小原流研究院教授 横東宏和先生、助教授の小山田先生穂漿先生、講師の杉山陽子先生が務めてくださいました。地区別教授者研究会には76名、研修士研修会は7名にご参加いただきました。昨年は台風の影響により、残念ながら中止となってしまった高松でした。昨年のリニューアル後はじめてご参加いただく方が多かった四国地区開催でした。1限目は「瓶花」吉野桜 雲竜柳 鳴子百合3の春の定番のお取合せです。奇しくも東京前期2日目のお取合せと同じ出題となりましたが、雅な美しさは長く親しまれているからこその難しさもあります。作品が並んだ会場は、繊細でやわらかな雰囲気が漂いました。2限目は「色彩盛花様式本位」谷渡とバラ小原流を習い始めて間もないクラスからも挑戦できる様式花材です。先生の寸評後には、規則的な正しさを求められる様式を、熱心に復習されている姿が会場の至るところで見られました。手慣れた花材でも、改めて研究院の指導を受けることができるのも地区別教授者研究会の学びのポイントです。研修士研修会は、瓶花と琳派調いけばなの出題でした。1限目は山茱萸 木苺 著我を立ち透かし籠にいけました。2限目の琳派調いけばなは、手元のいちはつ 吉野桜 鳴子百合 芍薬と瓶花で使用した花材を合わせて、みなさま思い思いの取合せでいけられました。「いちはつは、なかなか触れる機会がないのでいけられて嬉しい。」といった声もありました。各会場では、地区別教授者研究会参加のみなさまが、研修士の作品を見学できるようご案内をしております。こちらもぜひお楽しみいただけますと幸いです。
- 新潟開催 5月17日(土)
関東信越地区(新潟開催)の研修士研修会、地区別教授者研究会は5月17日(土)に開催されました。
指導は小原流研究院教授の川上裕之先生、助教授の平出仁穗先生、講師の坂上春草香先生が務めてくださいました。地区別教授者研究会には75名、研修士研修会は4名にご参加いただき、
特別開催地として、はじめてご参加いただく方が多くいらっしゃいました。
1限目は「写景盛花自然本位」万作、薊、鳴子百合、山シダ、ういきょうの取り合わせです。作品の中にういきょうをどのように配置するのかが挑戦のポイントでした。それぞれ思い思いの作品をいけられ、会場が彩られました。
2限目は「瓶花」花菖蒲、中菊のとりあわせです。
瓶の中に花菖蒲を整然と入れることと、花菖蒲の縛り方を小原流の技術として理解できているかを問う出題でした。
講評の際に川上先生から花菖蒲の藁での縛り方についてレクチャーがあり、
藁が無いときにはフローラテープをこよりにして使うこともできるという説明をしてくださいました。
準・四級コースは「瓶花」そけい、バラ、サンデリアーナという取り合わせでした。
研修士研修会は、1限目は「瓶花」花菖蒲を立ち透かし籠にいけました。
2限目は「色彩盛花様式本位」1限目の花菖蒲にいぼた、黄中菊を合わせ青磁水盤に華やかにいけられました。
特別開催地のため初参加の方が多く、みなさん熱心に先生方のお話に聞き入っていました。「初めて扱う花材があったため難しかったが、取り合わせが研修会ならではでやりがいがあった」、「研究院の先生に丁寧に教えていただく貴重な機会になった」との声をいただきました。