この人に聞く!vol.40 小原流足利支部 早川 光陽 先生
早川 光陽 先生
1982年9月小原流入門
1987年4月准教授取得
2010年5月一級家元教授取得
2010年4月専門教授者取得
足利支部3代目青年部部長を務め、現在支部役員

支部長の井野口 敬泉 先生にお話を伺いました
・足利支部はどのような支部かお聞かせください
足利市は、栃木県西南部に位置し人口約13万の市です。古くは、織物の街として栄え、日本最古の足利学校、室町幕府を開いた足利氏の鑁阿寺(ばんなじ)、日本一の藤や日本3大イルミネーションの足利フラワーパークなどがあります。渡良瀬川が流れ、自然豊かな山と、関東平野が一望に広がるところです。
足利支部は1980年2月に発足しました。役員は平均年齢約75歳にもかかわらず、皆が若々しく、一致団結してパワー全開で取り組んでいるからでしょうか、研究会に来られる先生方が「元気な支部ですね」と言ってくださいます。名幹の先生方は今までの経験と知識、技術を生かして指導してくださいます。また会員の方々も花展などでご自身の力を発揮して楽しんでいます。
今後も足利支部の発展のため、いけばなの魅力を少しでも多くの方々に伝えて、会員の皆様一人ひとりが小原流いけばなを楽しんでいただけるように、支部一丸となって協力していきたいと思います。
ここからは 早川 光陽 先生にお話を伺いました
小原流との出会い
・いけばなを始めたきっかけをお聞かせください
以前からいけばなに憧れがあり、高校卒業後、同級生に誘われたことをきっかけに入門しました。同級生は程なく辞めてしまいましたが、私はそれから43年続いています。
2022年12月末に師事していた先生が華道教室をお辞めになり、その後9か月ほど一級のお仲間3人で「研究会のための勉強会」を開いていましたが、現在は研究院教授・川上裕之先生のスタジオで勉強させていただいています。今でもそのメンバーとの勉強会は続いていて、研究会前の特訓だけではなく、小中学校の卒業式等の舞台花・教室花、正月花(フラワーアレンジ)のいけこみに誘われた時にも参加しています。
研究会には40年ほど前から出席し始めて現在36年皆勤中です。
地区別教授者研究会にも継続して出席していて、 2022年には20年皆勤賞をいただき、今年で23回目となりました。次は研究会40年皆勤、地区別30年皆勤を目指して頑張りたいと思います。


上左: みんなの花展(2023年) 出品作
上右: 卒業式のお祝い花
下 : 20年皆勤賞を受賞した 「2022年 第59回 関東信越地区・地区別教授者研究会」(前列左から3番目が早川先生)
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青年部活動
・今までに印象に残っていることがありましたらお聞かせください
足利支部20周年のときに青年部が発足し、37才から9年間活動しました。3代目の青年部長を務めさせていただき、退任後は部員としての活動を経て現在支部役員をしています。
これまでの活動の中で印象に残っているのは、静岡県で開催された「第3回 関東信越地区 青年部野外展」(2017年4月1日・2日)にお手伝いで参加させていただいた時のことです。4月だというのに静岡で季節外れの大雪が降り、雪景色の中、皆で凍えながら作品を組み立てました。めったにないことで驚きましたがその状況も楽しみながら作品制作したことが思い出されます。
また2019年に開催されたOhara花アソシエ「小原夏樹先生生誕70周年記念日本平イベント」にも参加させていただき、現地でも刺激がいっぱいで本当にいい経験になりました。


2017年「第3回 関東信越地区 青年部野外展」
上:足利支部の皆さんと(最前列右から4番目が早川さん)
下:懇親会にて(左から3番目が早川さん)。
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挿花コンテスト
・挿花コンテストでは2回も優秀賞を受賞されていますね
挿花コンテストには何度か応募しています。2011年の「花のはがきコンテスト」が開催された当時、植物を叩いて紙や布を染める「写し染め」を習っていたので、ニゲラの花と葉を使った写し染めのハガキを作って応募したところ、なんと優秀賞をいただきました!
次に応募した「ガラス器にいける」コンテスト(2018年)でも、ありがたいことに優秀賞をいただきました。どうしても宮古島の植物を使った作品を作りたかったので、花材や花器を現地で調達し、浜辺で拾った貝を添え、ビーチに人のいない早朝5時から撮影。2日間にわたったので大変でしたが、納得のいく作品ができたこと、こだわったおかげで優秀賞につながったことに達成感を感じました。
「ガラス器にいける」コンテストに参加するために始めたインスタグラムは、今では研修会で出会った他の支部の先生がコメントしてくれたり、全国の小原流の方と交流を図ることができるツールとして楽しんでいます。
早川先生のインスタグラムはこちらから / アカウント名:Junko666asikagasibu
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上: 花のはがきコンテスト「花のお礼状」 優秀賞受賞作品(『挿花No.730』2011年)
下: いけばな写真コンテスト「ガラス器にいける」インスタグラム部門優秀賞受賞作品(『挿花No.816』 2018年)
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宮古島
・先生の作品には多肉植物やアダンの実など、特徴的な花材が使われていますね
何か理由がおありでしょうか
それが2024年の役員研修会で出会えたのですから大興奮です!班で大きな写景盛花を1作いけたのですが、使った花材を班のメンバーで分ける際にアダンの実をいただくことができました。そのことは今でも班の皆様に感謝しています。
もらったアダンの実は自宅で他の花材と合わせて何度もいけかえて、楽しんでからドライにしました。実はもともと2個いただいたのですが、残念ながら1個は腐敗、残った1個も乾燥してポロポロと分解してしまいました。分解したパーツをなんとか復活させたいと思いグルーガンでくっつけたところ、ミニサイズのアダンの実が2個できました!その子たちも時々作品に取り入れて愛でています。。

左: 役員研修会で使ったアダンの実を再生して作品に使用
右: 貝を添えて大好きな宮古島をイメージした作品
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・早川先生の作品には多肉植物が特徴的に使われています
多肉植物は水もあまり必要なく、形も様々で大好きな植物です。支部花展などで使用する方も少なかったので、いろいろな種類を育てて増やし作品に取り入れてきました。近年は夏の暑さが凄まじくて育てても枯れてしまうことが多く、増えないのが悩みです。
多肉植物を好きになったきっかけは、父が黒法師をいただいてきたことでした。父は珍しい植物が好きで、変わった野菜や千代田錦(アロエの一種)なども手に入れては増やしていた記憶があります。私は父が育てた植物をいけばなに使わせてもらう専門でしたが、最初に出合った黒法師は金のなる木と合わせて花展で使ったこともあり、特に思い出深い多肉植物です。
私の花好きを理解し多くの花を育ててくれた父は、10年前に80才で亡くなりました。私が40年前に沖縄で買ってきたドラセナのような植物も父が育ててくれたのですが、その花が今年初めて咲きました。私がいけばなを続けていることを空から見守り、支えてくれている気がします。


上右
:佐野市民文化祭でいけた作品(2025年)
上左・下:多肉植物を取り合わせた瓶花
いけばな教室について
現在、先輩の先生2人と一緒にJAサークルで教えています。私はサブのような立場ですが、花材や花型によっては指導に難しさを感じることもあり、いけばなの奥深さを実感しています。
毎年11月に開催される『JAまつり』では生徒さんがミニ花展に出瓶します。ミニ花展は生徒が日頃の成果を発揮できる機会であり、私もそんな生徒さんの作品を見ると指導者としての喜びを感じます。
第46回JA足利まつりに出品した生徒さんの作品(2025年)
小原流の魅力
最初に習った流派が小原流でしたので、特に小原流の魅力を意識することもなく無我夢中で習い続けてきました。様々な花展等を訪れ他流派の作品を見るうちに、小原流の良さや魅力を強く感じられるようになりました。
小原流は様々な空間に合ういけ方ができ、瓶花では留め方の技術を学ぶことができます。また自然の風景を器の中に表現できる写景盛花様式本位、琳派の世界を花材で表現できる琳派調いけばな、自分の感性を自由に表現できる自由表現にも小原流の奥深さを感じています。
特に好きないけ方は、写景盛花自然本位(特に南国の浜辺など)、多肉植物を使った自由表現です。

多肉植物を使った自由表現の作品
これから
現在はJAの指導だけですが、より円滑に自信持って指導できる様にしたいと思います。その為には自分自身基本の花型や様式など継続して勉強していかなければと考えています。今年になって病気をしたことで少し弱気になっていますが、元気でいられるうちは楽しく魅力ある花をいけていきたいです。
2025年みんなの花展 出品作(合作)
インタビューを終えて
以前から早川先生のインスタグラムを拝読していたのですが、
個性的な多肉植物を作品に自在に取り入れ、
これからも素敵な作品を発信し続けてくださることをフォロワーとし
小原流本部では教授者の皆さまに様々なサポートを行っています。
詳しくはこちらからご覧ください。