全国支部紹介vol.13 小原流信濃支部

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小原流は全国に144、そして国外には89の支部があります。皆さんが在籍している支部がそうであるように、それぞれの支部に設立のあゆみや特徴、現在の取り組みなどがございます。本ページでは、毎月、全国の支部を1支部ずつご紹介いたします!今回ご紹介するのは小原流信濃支部です。五代支部長 村上 芳香先生にお話を伺いました。

小原流信濃支部 支部長 村上 芳香先生

1989年4月小原流入門。いけばなの面白さに驚き、週に2回の倍稽古を申し出る。 1993年に静岡市から上田市に転居。信濃支部に所属。
2000年に専門教授者となる。2004年から「伝統文化いけばな子供教室」を続ける。コロナ禍以降は、教室開催の前に、いけばなのいけ方の動画を子供たちに配信している。
2002年に信濃支部青年部長。2004年にホテル国際21で開催された支部創立30周年記念花展では、白く塗装した約1000本の楮(こうぞ)からなる青年部作品「しなのかみ神物語PARTⅢ」を作成。
2009年に研修士を取得。いけばな造形作品展『小原流関東信越地区青年部野外展 緑へのアクセス2012』に尽力した。
2019年10月に副支部長としてお家元の小原宏貴先生の信濃支部創立45周年記念特別講習会「秋風爽香」を約1000人の参加者で実施。
2020年に小原流信濃支部五代支部長に就任。

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信濃支部45周年記念行事 ホテル国際21にて
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左から清水豊潤先生、家元、松本豊秀先生、村上芳香先生


信濃支部のあゆみ


信濃支部は1974年11月に発足しました。発会式には三世家元、小原豊雲先生にお越しいただきました。
1980年に宮島豊洋先生が二代支部長に就任され、19年の長い間、支部の発展にご尽力されました。
1999年に清水豊潤先生が三代支部長に就任されました。私が信濃支部に来たのも清水先生が支部長を務めていらっしゃる頃です。1998年に開催された長野オリンピックでは、ボランティアとして、選手村や軽井沢のカーリング会場にお花を生け国際交流に努めました。
2008年に私の恩師でもある松本豊秀先生が四代支部長に就任されました。

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地方紙や週刊誌にも取り上げられました!


2012年7月にいけばな造形作品展「小原流関東信越地区青年部野外展 緑へのアクセス201」を菅平ダボスの丘で開催しました。お家元にも作品を出していただきました。
地方開催にも関わらず、関東信越地区の各支部から多く参加していただきました

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「緑へのアクセス2012」審査をする家元

2019年10月6日にお家元による支部創立45周年記念特別講習会「秋風爽香」を開催しました。
ホテル国際21の会場には約1000人以上のお客様が集まりました。お家元が会場をご覧になり、「ほんまやったんや」と客席の人数に驚いていらっしゃいました(笑)。席は全席指定席で、A0サイズの紙に座席を印刷し、付箋に名前を書いて貼って席決めをしました。講習会準備では、信濃支部の伝統?でもある山採りも行いました。お家元から「地元の山採りの素晴らしい花材のおかげをもちまして、花いける私自身がとても楽しいデモンストレーションでした。」という言葉をいただいています。お家元と一緒に、山の険しい道を、ランドクルーザーで花材を取りに行ったのも良い思い出です。
1週間後の10月12日に台風19号(令和元年東日本台風)が上陸し、千曲川堤防が決壊しました。北陸新幹線が水没するなど、交通網が分断されたので、1週間遅かったら開催できませんでした。
2020年に私が五代支部長に就任いたしました。交通が復旧しても、すぐにコロナ禍となりました。今年2023年はウィズコロナ体制に変わり、2024年3月30日、31日にホテル国際21で開催予定の信濃支部創立50周年記念花展を目指して、支部活動を進めています。


信濃支部に初等科申請が多い理由

全国的に見ても信濃支部の初等科申請数が多いと聞いたときは驚きました。本当にありがたいことです。
信濃支部ではこども教室に力を入れています。
2003年に文化庁のこども教室が始まってから20年間継続して、15カ所くらいで開催しています。支部では指導する先生方のために、文化庁申請、小原流申請の補助をしています。また、長野県や各市町村の教育委員会に後援を依頼しています。後援をいただけることで、公民館、学校での活動やチラシの配布が認められるようになるんです。
こども教室は支部の若手専門教授者育成の機会とも考えています。教室を開く手伝い、書類申請の手伝い、広告活動お手伝いをして、教え方がわからない人には、教室で助手を務めてもらってから独立するのを勧めています。
そこまで手ほどきをすることで、専門教授者増にも繋がればと考えています。
また習う子供たちがいけばなを楽しんでもらうことにも力を注いでいます。
特に発表の場はこども教室にとって重要です。最近では、my花frameを活用して発表会に展示しました。
展示を見て、スーパーの展示スペースに飾らないかと誘われています。
また上田市と東御市の伝統文化こども教室のメンバー約80人で"舞台でいけばな"に挑戦しました。
サントミューゼの舞台の上で、教室ごとに、子供たちが、花材やアルミワイヤにつけたボールを持って登場し、代表者がインタビューを受けてから、一人一人が花を生けて、一つの作品を作り上げました。
子供たちが楽しんでくれればと思っていたのですが、見ていて思わず涙が出てしまうほどに感動する舞台でした。

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こども教室の発表会の様子

初等科申請については、1年間のこども教室の終わり頃に紹介しています。こども教室の時は学割で取得できること、中学や高校受験の折に履歴書にかけますよとお伝えしています。
いけばなはこどもたちにとって、珍しいお稽古で、面接などでもいけばなの経験は好印象で話題になるようです。一芸入試にいけばなを披露してという方もいました。
正月花など保護者の皆さんが集まった折に、許状の話をしてご理解を得るようにしています。あくまでも希望者のみという点には気をつけて話をするように心がけています。
子供達には研究会への参加も促しています。若い人で会場がにぎわう方が、絶対に活気がありますから!
子供たちも研究会に参加して、大人たちに混ざって自分で花をいけてみるという経験や、他の方の作品を見ていけばなへの関心が深まったり、参加したことで自信につながると思います。許状申請にもつながっているかもしれません。
毎年15箇所 各教室20名くらいとして毎年300名 のべ6000名が信濃支部のこども教室でお花を経験したということになると思います。
こども教室は種まきと思って支部みんなで取り組んでいます。長野は土地柄、大学生になると離れて行ってしまう子も多くいます。そうした子たちがどこにいっても小原流と繋がっていられるようにと思っています。また子供がきっかけで親御さんが習いに来ることもありますので本当にいい機会になっています。
私個人の話ですが、コロナ禍がきっかけでYouTubeを作成し、子供たちのお稽古前に配布しています。子供たちは動画を見て予習をしてきます。自分でいけるという意識が高くなりました!


村上先生のYouTubeチャンネルです!動画作成は「結構簡単」とのこと!


学生を支部活動へ参加させる!


学校のクラブに参加しているの生徒も研究会に参加しています。クラブ活動の一大イベントは文化祭での展示です。部生徒のモチベーションを高めるためには、文化祭で人気展示にする必要があるので、最近では「ばえるいけばな」を目指しています。
撮影してInstagramなどに投稿したいと思うような展示であれば、人気が高くなります。おかげさまで最優秀をいただいたこともあります!
学生いけばな競技会は昨年まで長野で開催していただき、家元にもご指導ただきました。学生はお家元に接したことで、いけばなに熱心に取り組むようになりました。信濃支部の学生にはとても良い機会となり、クラブにとっても皆で協力して一つにまとまることができました。支部役員で学生生花の手伝いを行いましたが、学生の真剣にいける様子、ピリッとしたいい緊張感に、初心に帰ることができました。オンラインでの開催ももちろん協力いたしますが、直接会うということの大切さ、一同に集まるということもいい機会だったと思います。
 学生やこども教室の生徒、一般の方に広く研究会に来ていただくには、研究会の多様性が必要だと思います。
支部では、いけることに軸を置いて研究会を開催していますが、花を見るということにも力を入れています。みんなの花展も研究会として参加を呼びかけていますし、年に一度、初級者用のデモンストレーションを行い、先生がいけてくださるのを皆で見る機会としています。デモンストレーションの時に、普段参加していない人たちにも呼びかけて、参加を促しています。学生さんもこの機会に多く参加してくださいました。
研究会にもいろいろな形を作り、多くの人が参加しやすいようにしたいと思っています。


Shinano+について


青年部活動は1988年に始まり30年以上活発に活動しています。
周年行事には、毎回青年部オリジナル作品を作っています。毎年青年部行事も実施しています。昨年、30年の歴史をまとめた青年部アルバムを作りました。
私自身最も思い出深いのは、青年部長の時のコウゾの作品です。飯山の内山和紙を使った作品でした。白く塗装したコウゾを組み立てた作品で、まずカビだらけのコウゾからかびを落とす作業。その後、白いペンキを塗ったのですが、白のペンキが光すぎると言われやり直しに。高価なペンキを買う予算もなく、みんなで考え、ペンキに重曹の粉末を添加することで光の散乱を強めました。1000本以上のコウゾを竹串で繋ぎ、組み合わせて作品をつくり、ホテル国際21のロビーに飾りました。美しい作品でとても好評で、花展期間中を越えてしばらく展示してありました。工藤和彦先生に"日本一の団結力と行動力のある青年部"と誉めていただきました。
この時の苦労を共にした仲間はかけがえのない財産となりました。

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しなのかみ神物語 partⅢ
昨年、青年部が終了になるという本部の方針を伺った時、寂しく思いました。Ohara+の話を聞いて、プラスなんだなと感じました。小原流にもプラスで、参加した人にもプラス。 これに倣って、支部の若手メンバーにもプラスで、支部にもプラス、未来につながるshinano+(シナノプラス)を立ち上げました。shinano+ (シナプラ )のメンバーには、支部のいろいろな活動を手伝っていただいています。新年会は青年部の企画です。
新年会のテーブル花、余興の企画進行を担当してもらっています。
研究会のデモの折にも、花材くじの担当をお願いしています。また、昨年は善光寺で写経体験を行い、厳粛な雰囲気のなか、無心で般若心経を写経しました。メールマガジンにも取り上げていただきました。
現在は2024年3月の50周年に向けて作品制作の準備を始めています。50周年という節目ですので、これまでに信濃支部に携わっていただいた方々、昔お稽古していた人や、こども教室の多くの卒業生、に声をかけて、花展に足を運んでいただきたいと思っています。シナプラのメンバーを中心にその活動を行いたいと考えています。

Shinano+の活動はこちらの記事で紹介しています。


本部からのメールマガジンへの対応

信濃支部がホームページを立ち上げたのは比較的早く2010年です。研究会の花材表、優秀花、支部行事のお知らせをホームページに掲載しています。新しい技術を取り入れていく必要がありますが、なかなか追いついていないのが現状です。 遠距離に住んでいるメンバーが多いですが支部ではオンライン会議はなく対面会議のみです。
スマホで使い慣れているLineからオンライン会議を始めようとしたこともありますが、うまくいきませんでした。三役会など小さい会議から取り入れていきたいと思ってはいますが、直接会うこともとても大事なことなので兼ね合いが難しいです。
このような状況の中、本部は冊子体からメールマガジンへと変更をされました。
このままでは情報が届かなくなってしまいます。
そのため信濃支部では、メールマガジンに書かれた大切なことは、幹部会で報告するようにしています。メールマガジンに投稿することは支部にとって大切なので、テーマに応じて、個別に投稿を呼びかけています。いろいろな人に声をかけることで、小原流に、支部活動に関心を持つきっかけとなると良いと思っています。


感謝の心を常に

先日ご指導にいらした先生が私の話を聞いて、何回ありがとうというか数えてたと仰りました。
会員にも、ご指導の先生にも、お花を生けられることにも、会を開催できることにも本当に毎回感謝いっぱいです。
新しい企画や依頼など何か話があればとりあえずYES。いろいろなことはそのあと考えるようにしています(笑)。
先々代、先代と歴代の支部長から伝わる、信濃支部のモットーです。
企画運営に長く携わってきた経験があるので、企画する側の大変さも身に染みて分かっています。
だからできるだけ協力したいという思いがあります。メールマガジンやその他のことについても、本当に応援しているんですよ(笑)。
コロナ禍でも研究会をできるだけ開催、新年会もやり方を工夫して行えるように、会員にも、ホテルにも、支部にもプラスになるように、日々考えています。

「受けた仕事はとにかく前向きに、断らないようにしています!だから急なインタビューの依頼もこのようにうけています」(笑)。
資料としてたくさんの写真や冊子、そして話す内容を整え、入念に準備してきてくださった村上先生。
一緒にインタビューを受けてくださった松本先生が、次の支部長にはこの人しかいないと思った!とお話されている意味が分かったような気がいたします。村上先生、つたないインタビューを笑顔で受けてくださりまして、誠にありがとうございました!



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