この人に聞く!vol.4 小原流大分支部 大滝 弘峰 先生

大滝 弘峰先生

新規の生徒が途絶えることなく入会され、本部納付金も常に上位でいらっしゃる大滝弘峰先生。
今回は、許状申請にご尽力いただいている大滝先生に、専門教授者としての歴史やお考えをお伺いしました。

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指導者としてのスタートについて

-大滝先生はいつ頃から小原流いけばなの指導者になられたのですか?

1985年に専門教授者として登録したのですが、その前から、当時勤めていた会社で教えていました。
会社の先輩や後輩から「お花を教えてー!」とお声がけいただいた事がきっかけです。
会社で何年か指導したあと、
退職後に自宅で教室を始めました。

-自宅でお教室をスタートされたとき、生徒はどのような方が多かったのですか?

実は会社時代に教えていた方が来てくれたんですよ。
「教室を始めるので来ませんか?」とお伝えしたら、そのまま皆さん来てくださいました。
その一期生の方が今も在籍しているので、とても長いお付き合いになりますね(笑)。
教室の雰囲気も、ふんわりゆるやかに、お喋りしながら楽しく活動していたことを思い出しますが、それは今のお教室でも一緒です。

-会社の皆さん以外で新しい生徒さんはいらっしゃったのですか?

いらっしゃいました。
知り合いに声をかけたり、生徒さんの口コミで新しい生徒さんが来られたり。
少し経ってから大分市が配っている冊子に掲載してもらったことはありましたが、開講当初に新聞の折り込みチラシのような広告は出さなかったですね。
口コミで結構生徒が集まったので、今風に言うとかなり高コスパだったと思います(笑)。

-ご自宅というと、親先生でもある玉井豊泉先生(大分支部七代支部長)とご一緒に運営されていたのですか?

いえ、まったく別です(笑)。
曜日や時間帯を別にして、それぞれ独立して運営していました。
ただ、私が出産でお稽古が
出来ないときは玉井先生にお稽古してもらっていました。
また、玉井先生のほかに、今はもうお亡くなりになられましたが、北九州の尾田尚欖先生にもご指導いただいていて、親先生の力を借りられたり、いろいろと相談できたことはとても有難かったです。


-教室を始めるにあたり不安もあったかと思うのですが、親先生がいらっしゃると心強いですよね。当時の資格をお尋ねしていいですか?

はい、二級脇でとても下手くそで(笑)・・・・。


-い、いえ・・・、そんなことは・・・

(笑)。
客観的に振り返ってみると、生徒さんはいけばなの初心者で、私も私なりにしっかりと小原流を学んで資格も有り、悩みや不安があれば親先生に相談できましたので教える事に不安は無かったです。
小原流は准教授になったら教えられますし、実際に私の生徒も准教授ですが生徒がたくさんいる人がいます。
「まだ准教授だし自信がない」という方もいらっしゃいますが、親先生もいらっしゃいますし、自信があとから付いてくると思いますので、若くても・・・というか、若いからこそどんどん先生になってもらいたいです!

お忙しい現在の教授活動について

-その後、ずっとご自宅で教室を続けられたのですか?

自宅教室の運営とともに、営業も行きました。
近所に大きな公民館(大分市南部公民館)が出来ると聞いたので、突撃して「お花教室を開かせてください。その代わり、しばらくの間は玄関にお花を展示いたします。」とお話しし、現在も続くサークル教室を開講したのです。そのほかにサークルが2つほど、自分の教室が5つほど、玉井先生のお教室でお稽古もして、文化庁採択の親子教室もあり、さらにBTS、大分トリニータと、我が身を振り返ってみるとなかなか忙しいですね、私(笑)。

-ホントに(笑)! たくさんお教室があってとてもお忙しいですよね。

有難い事に(笑)。
若い世代の方々が多い教室や、小・中・高校の先生など公務員の皆さんが多い教室、それに文化庁採択のお教室には、今年60名の方が来てくださっています。
教室ごとにカラーが違ってとても楽しいのですが、こども教室については若い方に引継いでいます。
先ほども話しましたが、准教授以上であれば教える事ができますから、たとえ年齢が若くても臆する事なくどんどんやってもらいたいですね。
今は若い方への引継ぎについて、いろいろと考えているところです。

-先生のお教室は、コンスタントに新しい生徒が入られて許状申請をされています。新しい生徒さんはどのような導線で入会されることが多いのですか?

小原流のホームページ経由で来られることが多いです。
この間もお1人が入会されました。
他は、サークル活動を行っているのですが、そこから個人教室に移って来られる方や、
生徒さんが新しい方を連れてくる場合が多いです。

でも、生徒さんが新しい方を連れてくることについては、最近いろいろと思うところがあるんですよね・・・。

丸専を増やしていくために大滝先生が考えている事

-生徒さんが新しい方を連れて来られることは良いことだと思うのですが・・・?

実は専門教授者を増やしたいと考えているんです。
ですので、生徒が新しい方を連れてくるとき、「ここに連れて来ないであなたが教えなさい。もうその資格を持ってるじゃない。」と言っています(笑)。
生徒も仕事をしているので、教室を開く事が時間的に難しいことも分かっているのですが、専門教授者の減少は小原流にとっても重要な課題ですよね。
資格も年齢も若い方が教授者活動を行うことは、支部を含め、小原流内にも良い刺激があると思いますので、これからはそういう方向にシフトしていこうと思っています。


₋でも、教室を始めることは、場所や設備の問題もありますよね?なかなか難しいのでは?

いえ、生徒には「ここを使いなさい。」と言っています。
場所もあるし、必要な備品もありますし。


₋大滝先生のお教室の空き時間を使って開講ということなんですね!

そうなんです。
私が借りているお教室がありますので、そこの空き曜日や空き時間を使って教室を開講し、専門教授者になってもらいたいのです。
私の教室以外でも、豊友会理事長であり、大分支部の幹部でもある梅津さんの教室も開放しています。
人に教える事で改めて自分の学びもブラッシュアップできますし、人との繋がりも持てます。
私自身、人が大好きですので、空き教室のマッチングや支部の支援を活用してもらって、人生をもっともっと楽しんでもらいたいですよね!



専門教授者としての大滝先生

₋先生が、指導者として気を付けていることはなんでしょうか?

まずは「お声がけ」です。
これは意識して、出来る限りコミュニケ―ションを取るようにしています。
そして、その方に自分を合わせるように努めています。
その方の技術や性格、特性などを常に見て、指導の際はその人によって言葉や教え方を意識して変えていますね。
支部研究会以外では厳しくしないと決めているので、スイッチを入れて明るく楽しく元気よく指導して、少し厳しかったかな?と思ったらLINEなどですぐにフォローしています。


₋許状申請について、大滝先生は本部への納付金が毎年上位にランクインされています。でも、中には「お免状を取りたくない」と仰る方もいるのではないですか?

少なくとも、個人教室に来てくれている生徒の中でそれはありません。
許状を取りませんという雰囲気は、私の教室ではあまり無いと思います。
上の資格には魅力ある花型が数多くありますが、そのカリキュラムに到達していないと決して教えないので、お花への憧れが募るというのでしょうか(笑)。
昔からこのポリシーで指導していますので、そこはしっかりと線引きしたいと思っています。
ここが崩れると、許状申請のモチベーションも高まらないんじゃないでしょうか。
体験レッスンに来られた方にも、「このお教室では最低でも准教授まで目指していただきます」と説明しています。


₋大分支部の幹部システムと同じく、先生のお教室では、資格を取得していく意識付けをしっかりされているように思います。

密にコミュニケーションを取ることで、相手の考えを聞き、自分の思いを伝えることで、お互いの心に根付くことがあると思います。
意思疎通があまり出来ないと、お互い建設的な意見交換や
前向きなことは出来ませんよね。
とにもかくにも「お声がけ」精神で生徒と向き合っています。
あと、生徒が資格を取得することでいうと、個人的にカリキュラム変更で新しくなった単位カードが気に入っています。
使い勝手が良く、印鑑を付いてお渡しすると生徒さんのモチベーションが上がるんですよ!
印鑑が承認欲求を刺激するのか、到達欲を高めるのか分かりませんけど、とにかく目いっぱい使っています(笑)。


「先生になるのは鋏を持っている時だけ」~大滝先生が大切にしていること

まず、インスタグラムやLINEなどもそうですが、新しいコトやモノに自分を合わせることが重要だと感じています。
以前は「絶対にLINEなんかしない!」と思っていましたし、インスタグラムもハードルが高く感じましたが、やはりコミュニケーションツールへの適応力は今の時代には必須だと思います。
分からなければ生徒に教えてもらえますし(笑)。

そして、最も大切にしていることは、何度も申し上げている「お声がけ」です。
それがLINEの場合もありますが、時間を見つけて、一人ひとりのお話しに耳を傾けていくということを意識してい行っています。
「最近話してないな」と思うとランチに誘ったり、深夜の2時とか3時までLINEをしたり。
周りの友達からは「私には絶対に出来ない」と言われますが、やっぱり今居る人たちは、自分の中で大切にしたい人たちばかりなんですよ。
話せば生徒のいろいろな事が分かりますし、相手も私のことを分かってくれますし。
人の中に自分が在って、人の中に居るから許状申請も伸びていく訳ですので、これからも人との関わり合いを大切にしていきたいと思っています。
「お声がけ」精神は、私の根幹かもしれません。

そして最後に、コミュニケーションを取るときは、自分を先生だとまったく思わずに話しています。
口から生まれてきたとよく言われますが(笑)、先生になるのは鋏を持っているときだけ。
あとは全部さらけ出しながら、これからも皆さんに「お声がけ」してまいります。




とにかく明るく前向きで、話しているだけで元気をいただける大滝先生。「やってみてダメならそこで考えてみればいい」という「Go!Go!Let's Go!」の精神は、大滝先生の社中や大分支部会員の皆様に、自由な空気感と温かい雰囲気をもたらしているように感じました。今回、大分フラワーフェスティバルのいけ込みや、お稽古の合間を縫ってインタビューに応じていただき本当にありがとうございました!改めまして、これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます!

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小原流大分支部より、TOSテレビ大分の番組「ゆ~わくワイド」にて、いけばな作品のいけこみを担当しています。そちらの活動について、大分支部支部長大滝弘峰先生よりお話を伺いました!


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