メルマガ家元教場 vol.4「初夏のいけばな」 担当:金森厚至先生

第四回目となる「メルマガ家元教場」。今回もたくさんのご応募をいただき誠にありがとうございます。

6月のテーマは『初夏のいけばな』です。
今月も花材の取合せ、撮影場所と様々な工夫を凝らした作品をご応募いただきました。
応募いただいた作品のうち3作品を今回担当の金森先生により選抜、ご指導いただきました。

「初夏のいけばな」

image0 (1).jpeg 「二兎の雫」矢井豊功 様

ぴょん!冷たいお水を飲みに行こうよ...
爽やかな風の中、滴るような初夏の水辺へ
ようこそ!

金森先生のコメント
涼しげな蓋つきのガラスの器に、涼感を感じさせる河骨のひと花ひと葉と雪柳の枝。
小量の花材で十二分に季節感を表現した作品になりました。
『二兎の雫』のテーマの様に、ガラスの器に描かれている二羽のウサギがかわいく、作品としてきれいにまとまっています。



image0 (3).jpeg「はつなつの清風」高鍬紺葉様

新緑の高瀬川。
この浅い清流も京都らしさです。
川を通してその街の自然や文化が感じ取れます。
流れのある暮らしの場に、籠にいけた花がよそぎます。

金森先生のコメント
川の流れの中に、縞ガマの動きが軽やかさ、爽やかさが良く出ています。
野外で撮影し、川の流れを作品の中に持ち込むアイディアは『初夏』というタイトルにリンクし、涼しさを感じさせる作品になったと思います。



image0.jpeg 「初夏」ゆう翠様

まばゆい陽光を浴びながら、涼しげな顔で咲くニゲラとカスミソウ。
ニゲラが満開になる日が待ち遠しい。
初夏の庭の風景をフレームの小さな世界に表現しました。

金森先生のコメント
強い黄色の背景とmy花frameの茶色から、清楚なニゲラの色合いとカスミソウの白がよく映える作品です。
背景の黄色が夏の太陽を感じさせ、軽やかなニゲラの動きがフレームの中に納まって、初夏というテーマでまとめた作品として目を引くものでした。



総評

作品一つ一つに良い所があり、初夏というテーマに関連した涼しげな様子が感じられました。
室内の撮影は、家具などが強く写り込むため置く場所が重要になり、屋外の撮影は背景と作品のバランスの見せ方がポイントです。
花を飾る環境は、照明の工夫や作品を置く場所の工夫によって開放的に感じられます。作品の動きと配置をうまく馴染ませると、より良い作品ができるのではないでしょうか。

取り合わせに関して、それぞれ『初夏のいけばな』というテーマに沿って考えられて良いと思いました。

金森先生画像.jpeg

「初夏のいけばな」いかがでしたでしょうか。
取り合わせ花材に緑が多く、作品全体が一気に夏らしくなりました。合わせる器は籠やガラスなど爽やかな組み合わせの作品応募がたくさんありました。
撮影場所については金森先生からのヒントがあったように、明るさ、背景、飾る場所などに気をつけると、いつもと違う発見があるかもしれません。

来月号は「夏の自然盛花・瓶花」をテーマに作品を募集いたします。
指導担当は小原流研究院教授の菊池瑞月先生です。
皆様の作品を心待ちにしております。


応募方法


次の情報をメールに記載の上、作品データを1枚(できるだけ高画質のもの)、小原流マーケティング課までお送りください。ご応募いただた中から3作品を掲載させていただきます。
・現在の小原流の所持資格
・会員番号
・氏名(ペンネームでも構いません)
・作品タイトル
・作品について100字程度の紹介文


送信先:小原流マーケティング課 [email protected]
※当選者の発表はメールマガジンの配信をもって代えさせていただきます。

2023年7月号のテーマ

「夏の自然盛花・瓶花」

担当:菊池瑞月先生

募集締切:7月5日(水)