盛花は平たい器を用いた面的な広がりのあるいけばなです。大きく分けて次の2種類があります。
景色を水盤の中に再現するようにいけます。しかしそれは箱庭をつくることではなく、
植物の生態や季節感などを生かして作り出された、小宇宙とでもいうべきものです。
水辺に咲く花、池の中に咲く花など、夏の池畔の情景を表現しています。
花/蓮 暖竹 睡蓮 紫陽花 スモークツリー
花の少ない冬の野。水盤一面に敷かれた緑は、日蔭蔓という植物で、地面を表現する小原流独特の様式です。
花/水仙 小菊 日蔭蔓
植物の色彩美や、形態美を表現することを主とした盛花です。
もちろん植物ですから、季節感をが大切なことは言うまでもありません。
剣山などの花留めを使わずに、花瓶に挿すようにいける花です。植物のたたずまいを生かすように。
花意匠には、次の6つのタイプがあります。
植物の立つ姿の美しさをメインにした、シンプルな花。入門して最初に習うかたちです。
横に伸びる花や、斜め方向への姿が美しいものを主役にしていける花です。
左右にバランスよく開いた姿をいけるかたちで、その場を華やかな雰囲気に包みます。
横方向に高低をつけてならぶ姿を見せるかたちです。可愛らしいイメージがつくれます。
真上から見ると円を描くようにいけていくかたち。勿論どの方向からも美しく見えます。
他の花意匠のかたちを、上段と下段に組み合せた2段構えのコンビネーションフラワーです。
内側へ向けた、交差する立体美をとらえる新しい表現です。