![]() ■シャガ(アヤメ科) ![]() |
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アヤメやカキツバタと同じ、アヤメ科アイリス属の植物でありながら、シャガは印象が比較的地味なため、園芸的には日陰地の下草などとして利用されているにすぎません。しかし、一日花ながら次々に開花すること、常緑であることなど、花材としては非常に重宝な存在なので、開花時期はもちろん、花のない時期にも葉物花材として利用されています。 シャガの原産地は中国。日本でも津軽半島より南の各地に野生していますが、これは中国から渡来したものと言われています。たいへんに古い時代に渡来した、いわゆる史前帰化植物のひとつです。 ほかの多くのアヤメ科植物同様、シャガも剣のように細長い葉を扇状に着けます。開花時期は四、五月、葉の中心部から花茎を伸ばし、直径五センチほどの花を次々に咲かせていきますが、この花は結実することがありません。日本にあるシャガは、種子ではなく地下茎に着く子株で増えていきます。 なぜシャガが実を着けないのかというと、三倍体植物だからです。ふつうの植物は二倍体と言って、遺伝をつかさどる染色体を二組持っていますが、三倍体植物の場合は一組多い三組の染色体を持っています。三倍体になると、葉や花は大きくなるのですが、種子をうまく作ることができなくなってしまいます。身近なところでは、日本にあるヒガンバナや種子なしスイカも三倍体植物で、両者ともに種子を作ることができません。 三倍体植物は、何らかの原因で染色体数が倍になった四倍体植物と、ふつうの二倍体植物が交配して生じます。四倍体を生じさせる物質としては、ユリ科のコルチカム(イヌサフラン)から採れるコルヒチンが知られています。日本のシャガの場合は、何らかの原因で発生した三倍体のものだけが増えていったのでしょう。中国には正常な二倍体のシャガがあるといわれ、これはもちろん結実します。 このように日本のシャガは種子を着けないので、実生による変異を起こさず、園芸品種はほとんどありません。枝変わりによって生じた斑入り種が栽培されているだけです。よく似た植物にヒメシャガがあり、こちらの方は半八重咲きのもの、花色に変化があるものなどが知られています。また、最近よく使われるアメリカシャガは、同じアヤメ科ではありますが、別属のネオマリカ属の植物です。シャガという名前は、中国語の射干に由来します。しかし、中国では「射干」というのはヒオウギを指す名前とされています。 |
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