■レースフラワー(セリ科)


 レースフラワーと呼ばれている花は、厳密には一種類ではありません。セリ科ドクゼリモドキ属のものが一般にホワイト・レースフラワー、トラキメネ属のものはブルー・レースフラワーと呼ばれています。このブルー・レースフラワーの中には花色が白色や桃色のものもあり、それぞれホワイト・レースフラワー、ピンク・レースフラワーという名でも流通しています。また、ピンク・レースフラワーと呼ばれるものの中には、ピンピネラ属のものもあり、これはヨーロッパ原産の多年草です。

 ホワイト・レースフラワーはヨーロッパ中西部原産の一年草または多年草。白いレース織りのような印象からつけられたと想像されます。ドクゼリモドキ属は約十種が知られており、西アジアから地中海沿岸地方に野生しています。花は十数個の五弁花が集まって一センチ前後の花序となり、それがさらに十五〜六十個傘状に集まり、直径六〜十センチぐらいの複散形花序をつくります。高さは三十〜百センチぐらいになり、葉には根出葉と茎葉があります。葉は黄ばみやすく、花びらは散りやすい性質です。最近、用いられるようになったブルー・レースフラワーよりも切り花としては早くから利用されています。果実には薬効があり、ヨーロッパでは強壮、健胃、利尿剤として使われていました。

 一方、ブルー・レースフラワーは英名がそのまま使われています。オーストラリア原産の直立性一年草で、高さは六十センチぐらいになります。トラキメネ属は十二種以上あります。属名のトラキメネはギリシア語のトラキス(粗い)とヒメン(膜)からなり、果実の形質にちなむものといわれています。花は五弁で長い柄をもち、直径七〜十センチの集合花をつける散形花序で、葉はまばらに互生し、三裂葉または二回三裂葉。茎はもろく折れやすく、花は順に咲いていきます。ヨーロッパには一八二七年に紹介されています。

 共に花は茎の先端につき、花期は五〜六月で、観賞期間は二週間程度。ただ、播種期の調整や施設栽培の併用などにより、盛夏を除いたほぼ周年にわたって出回っています。

 花材としての用い方にそれほど差はありません。水揚げは水切りで、花もちは共に五日程度です。

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